Life 99

内省が多い

横浜

ここ数年で、横浜がほんの少しだけ特別な場所になった。 きっかけは、2011年ごろから横浜DeNAベイスターズ(当時は横浜ベイスターズ)のファンになってからだ。

横浜。静岡出身の私にとって、横浜は隣の県の大きな街程度の認識だった。 テレビでよく見聞きしていたから、大きな都市で、人気の観光・デートスポットということは知っていたけど、それだけのことで、大きな興味もなかった。

小さい頃からあぶない刑事を繰り返し観ていたから、港署があるあの舞台、って知ってた。 山下公園本牧ふ頭、大黒ふ頭、中華街があるのも知ってた。

中学生になってB'zのファンになると、ヴォーカルの稲葉浩志横浜国立大学の出身で、彼が大学時代にいた場所という認識も加わった。 時々B'zの歌詞で歌われるから、港の見える丘公園があったり、ドライブの果てに行き着くところという認識もできた。

高校生になると、親しかった友人がアクティブな子で、機会があればバスに乗って横浜にショッピングに行っていたから、思ったより近いところなのだという認識になったけど、それだけのことで自分もわざわざ横浜まで買い物に行くことはしなかった。

高校2年生、初めてB'zのライブで遠征をした1999年のこと。 ツアーファイナルが横浜国際総合競技場(現・日産スタジアム)だったから、はるばる東海道線に揺られて初めて横浜に行ってみた。 当時はまだツメが甘く、新横浜駅東海道線上にないことを知らなかったから、電車の中でたまたま近くにいた人に「新横浜には行けないよ、乗り換えないと」と教えてもらって辿り着くことができたのは懐かしい思い出。 それも、新横浜駅横浜国際総合競技場の間を往復するだけの話なで厳密には横浜とは言えず、横浜に行った、という感覚はなかった。

上京し、友達と横浜の中華街に遊びに行ったのは20歳くらいの時のこと。 中華街をうろうろして中華の食べ放題を食べて、変な占い師に引っかかって、初体験は●歳だろうとズバリ当てられた時は面白かった。あのおじさんは元気にしてるだろうか。 まさかその頃は、10年もたたないうちにオンシーズン中は月に何度もその側のハマスタに通うようになるなんて想像もしなかった。 中華街に行ったものの、側に横浜スタジアムがあることなんて全く知らなかったから。 その後も何度も横浜アリーナ横浜国際総合競技場に行ったけど、全く横浜に馴染む感覚がなかった。

いつからか、上京するもうずっと前から、横浜はオシャレなデートスポットで自分には無関係なところ、という変な先入観に縛られていた。(全くよくないクセ)

2008年から中日ファンを始めると、大洋ホエールズ時代からのベイスターズファンの夫に連れられて2〜3ヶ月に1度は横浜スタジアムに行くようになった。 夫と行く時はいつも車だから、家とスタジアムの往復でやっぱり横浜に馴染むことはなかった。 ときどきついでに中華街でご飯を食べたり、みなとみらい周辺をドライブしてみる程度で、やっぱり自分にはどこか遠い場所のままだった。

転機は前述の通り2011年。 4月の上旬、横浜スタジアムで行われたオープン戦(阪神戦)を観に行った時のこと。 とある選手にすっかり心を奪われてしまって以降、一人で好んでハマスタに通うようになる。

それからまる3年たち、横浜は「すっかり慣れ親しんだ場所」になってしまった。 振り返ってみると、とはいえ自宅とハマスタの往復なのは変わらず、行動範囲を広げて横浜を開拓しているわけではないから慣れ親しんだというには語弊があるかもしれない。 ただ明らかに2010年までと違うのは、「愛着」が湧いてしまったことだ。 横浜に愛着というより、"ベイスターズがあるから好き"というついで要素はすごく大きいけれど、いまとなっては自分の準ホームくらいの気持ちがある、それくらいの特別な場所になっていた。

昨日、夫とハマスタ帰りに都筑PAに寄った。 春季限定の月餅、さくら風味が売られていたので食べた。

IMG_6312

都筑PAには、シウマイ弁当でお馴染みの崎陽軒の月餅が売られている。 ハマスタ帰り、都筑PAでご飯を食べた後におやつの月餅を買うのがささやかな楽しみだ。

ところでB'z(というか稲葉浩志)の歌詞に出てくる横浜は、

とまぁ、あんまり楽しい感じのプレイスに描かれてないんだけど、もうちょっと横浜のイメージ向上に努めてもいいんじゃないかナ、なんて。 (普段から幸せに満ち満ちた楽しい歌のほうが少ないとしても、だ) 歌詞を書いてる人は横浜在住時代が楽しくなかったか、振り返れば切ない思い出ばかりか…。

なんて、横浜に愛着が湧いたいまとなっては釈然としない気持ちもほんのちょっぴり抱いたりもしている。