Life 99

内省が多い

グリフィス

最近、ケーブルテレビで夜中にベルセルクをやっているので見ている。 ベルセルクの存在はしっていたが、単行本を読んだりアニメを見たことはなかった。

鷹の団のボスであるグリフィスが、かつて駆け出しであった頃、戦力費用を欲してチューダー帝国の権力者に体を差し出す。 これを、キャスカは以下のように説明する。(うろ覚えている程度のざっくりニュアンス)

てっとり早く成功するためには、ある程度の期間をかけて味方を戦死させるよりも、少しの間面倒なことを耐えてもそのほうがよいならそちらを選ぶ。 グリフィスは「自分一人が汚れずにいられるほど、自分の欲しいものはたやすく手に入るものではない」と言った。

キャスカは「大きなものを手にしようとする者は、それだけ人より多く何かに堪えているのだと思う」と陶酔している。

グリフィス大好きキャスカのうっとり評は置いといて、ああなるほど、と思ったことがある。 つい最近、これによく似た話を聞いたことがあるのだ。

枕営業が得意な人がいるよね、という話になった。 その思考が、どうしても理解できなかった。(理解したいわけではないが) 自分もやろうと思えばできるのかもしれないが、それを常套にして、そういうことを普通に行える神経が理解が及ばなかった。 自分がそういうことをして世を渡っていこうと考えたとき、全くリアリティがない。(だから手段として選ばないんだけど。)

ある人はこう説明してくれた。 「数日間、数週間めんどくさいことや苦痛に耐えるよりも、一晩ちょっと我慢して済むならそっちを選ぶ、っていう合理的な考えなんだよ」 合理的、そうかアレは合理的だったのか…という目からウロコだった。 「そういうときに、プライドとかそういうのはどうなの?傷ついたりしないの?」 なんて幼い疑問を投げたら 「そういうのないからできるんじゃないの?」 って。 本当のところは人によるのかもしれないけれど。

そんな折、今宵のベルセルクで全く同じようなシチュエーションで、同じような説明がされたものだから、 「なにこれ知ってる感じ!」 とビックリしたというわけ。

だからグリフィスは「これ以上味方の被害を拡大させないように」というもっともらしい理由だったけど、たぶんそれはごく表向きのタテマエで、本音は「さっさと夢を叶えたい」というごくシンプルで血の通っていないものなんじゃないかな、と思った。