Life 99

内省が多い

RUSH プライドと友情

先日、地元のシネコンのレイトショーで「RUSH プライドと友情」を観た。 昼間はハマスタでオープン戦を見てからのダブルヘッダーというなかなかの疲労度であったが、プレミアスクリーンで上映されており、座り心地のよい大きなソファは快適なデート環境であった。

夫は大変な車好きである。 車好きもいろいろな種類がある。 チューンナップ好きがメカニックタイプ、運転するのが好きなドライブ大好きタイプ、頭文字Dとかを愛読しちゃう峠を攻めたい走り屋タイプ、とにかく早い車でぶっ放したいニトロ大好きタイプ、高級車が好きなタイプなどなどなど…。 夫は上記で述べた中でいうと「頭文字Dとかを愛読しちゃう峠を攻めたい走り屋タイプ」だ。 好きな車種は三菱のランサーエボリューションランエボ)で、ランエボの特性を活かせるダウンヒル(峠の下り道)が大好きだ。 大好きだ、とここまで書いていながら、ランエボは所有しておらず毎週末峠を攻めにも行っていない、ごく真っ当な車好きだ。 ランエボを所有しない理由として、維持費と改造費がかかることをあげている。 8年前に乗り換えるまではランサーを所有していたが、乗り換えた新車が三菱車ではなかった理由は「好きなデザインではない」からだそうで、三菱車へのこだわりと愛が死んだわけではない。

前置きが長くなったが、この車好きな夫に誘われて「RUSH」を観に行くことになったのである。

1976年のF1世界選手権でのジェームス・ハントニキ・ラウダのライバル関係を題材としたロン・ハワード監督、ピーター・モーガン脚本による2013年の伝記アクション映画である。クリス・ヘムズワースがハント、ダニエル・ブリュールがラウダを演じる。 ■あらすじ 1970年代、毎年2人が事故で死亡するF1の世界で伝説となった2人のレーサーが存在した。 ジェームズ・ハントは野性的思考であり、毎日を人生最期の日の様に謳歌する豪放なプレイボーイで、勘を活かした走りを得意としていたイギリス人。ニキ・ラウダは「コンピュータ」と評される論理的思考であり、レーサーのイメージとはかけ離れた勤勉な男で、工学の知識を活かして自らマシンを整備する走りを得意としていたオーストリア人。全く正反対の性格の2人はやがてライバル関係となり、度々レースで競い合う仲になる。

「本当にあったF1のお話だよ」程度の説明と、たまたまケーブルTVの海外ドキュメントチャンネルでこの映画に関連したイントロダクション的番組を観ていたのと、ちょっと調べたら監督がロン・ハワードだってこと、アラフォーF1ファンホイホイの映画、程度の前知識で臨んだ。

以下、感想。

平たくいうと面白かった

面白いもなにも、実話に基づいているから(必要以上に)面白くしようがないけど、史実を忠実に再現したものと把握していれば充分に面白い。 「本当にこんな映画みたいなことがあったの!」「これは映画化されるわ(納得)」という面白さ、ありました。

貧血起こした

ラウダがクラッシュして全身に大火傷をおい、意識が戻って処置している間の5分くらいは貧血起こして気持ち悪いし頭痛いし全身冷や汗吹き出すしで大変だった。 視覚情報を遮断するために目を瞑ってソファに深く腰掛けてみたけど、耳には痛そうな声とか悲壮感漂う音楽が届いてきてなかなかのしんどさ。(プレミアスクリーンの広々ソファでよかった) 必死でゆっくり呼吸しながら自分を落ち着かせて、ラウダ復活と同じころに私も復活。 その後「R12」ってセックスじゃなくてコレか!と気づく。 でもその前に、ニュルブルクリンクの危険さの描写で事故ったレーサーの脚が酷いことになってる描写なんかもあったのにそれは平気だったのは、きっとラウダが好きになってたからに違いない。

リアルだった

ロン・ハワード先生、とてもリアルを追求されたようでそれがよかった。 ストーリーの面白さはそこそこだけど、丁寧なリアルさが面白さを補ってた。

ニキ・ラウダは「私がそれを初めて見たときに感動した。ハリウッド的な変更はなく、非常に正確だ。そして、非常に明らかに私を本当に驚かせた」と述べた。(Wikipediaより)

と本人が語っているくらいだから、本当にリアルなのだ。

音楽がハンス・ジマーだった

映画が終わってクレジット眺めてたら音楽が愛するハンス・ジマー大先生だった、やられた。 劇場のサラウンドもあるけど、やたら臨場感のある音楽だなって思ってたら!! おかげさまで貧血も加速したよ、やられた。(2回目) ニキ・ラウダオーストリア人だし、同じジャーマンとしてジマー先生も気合が入ったんじゃないでしょうか。 ロン・ハワードハンス・ジマーの火の映画は注意だ!(ex.バックドラフト

ハンス・ジマー大先生の得意技であるワルツ風な曲調ではなかったので気付かなかった、まだまだ未熟な耳だ。

VFX

エンジンや走行シーン、車の中から空模様までVFX(視覚効果)がふんだんに使われていて、より効果的にリアリティを演出してた。(ただしそればかりではない、絶妙なさじ加減) いまどきの映画でVFXはそう珍しくもないけど、ロン・ハワード作品でこのレベルまでバキッと使ったアプローチはこれまで観たことがなく、とても新鮮だった。 最新技術を必要に応じて必要な分だけ使いこなせるのは、やはり巨匠と呼ばれる所以でもあるだろう。

大興奮の夫

事故シーンが全くあの通りだ!と興奮。 映画を観たあと、「車の運転気をつけよう」とのこと、理由はアクセル踏み込みそうだから。

一方私は

ラウダがおんぼろBMWを公道でぶっ飛ばすシーン。 クラッチとアクセルをガガッて両足で踏み変えるとこが一番ぐっときた。(運転しないけど)

フェラーリPR映画だった

新旧フェラーリファンにはたまらない、フェラーリプロモーション映画でもあった。 ああいうレースをリアタイで観ていたら、B'z松本みたいなわかりやすいフェラーリファンができあがるんだろうなぁっていうのがよくわかる映画。 まっちゃんこれ絶対観てる、まだ観てなくてもこれから観る。(全力)

キャスト

クリス・ヘムズワース(ハント役)がブラピみたいでキュートだった。 ダニエル・ブリュール(ラウダ役)は、役にとてもフィットしていると感じた。(ラウダ本人を知らないけど) 夫曰く、ハントはあんなにかっこよくなかった、ラウダは喋り方までそっくり、ラウダの奥さんはもっと綺麗だった、とのこと。

気になった点

字幕版を観たんだけど、相手を罵る言葉が軒並み「阿呆」で統一されてて違和感ありまくりだったので、もっと汚い言葉とかバリエーション出してもいいんじゃないかな、と。

最後、ラウダの一人語りで 「ハントは45歳で心筋梗塞で死んだとき、私は驚かなかった、ただ、悲しかった」 という締めで、なんだかホロリときた。 世界最高レベルの強烈なライバルであり、お互いに認め合う唯一無二の友達だったんだなぁというのがよくわかった。

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