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スクランブルエッグ

スクランブルエッグ

スクランブルエッグが好きだ。 料理はしないから作って食べたりしないけど好きだ。 旅先の朝はスクランブルエッグを食べないとだめだ。 スクランブルエッグがあるか調べて、ないなら回避するほどの執着はしてないまでも好きだ。 そこまでしなくても、だいたいおかずにラインナップされているし、それだけ朝食の王道ってことだ。 茶碗一杯の白飯を食べるなら、茶碗一杯のスクランブルエッグを食べたいくらい好きだ。

上等なホテルの、生クリームが入ってとろっと半分溶けたような、ほどけてしたたる黄身が目に鮮やかなスクランブルエッグは素晴らしい。 塩コショウなんて振ってなくていい、黄身そのものの味を引き立てる、ガツンと酸味の効いたケチャップを垂らして食べる幸せ。 スクランブルエッグを食べることで、一日のエネルギーを摂取する幸せを感じることができる。

安宿のちょっとくたびれたおかずの中で、それでも目につく黄色いスクランブルエッグは救いだ。 それは上等なホテルのとはまるで別物の、およそ最後までほぼ固まりきってパサパサで愛想のないスクランブルエッグだけど好きだ。 肌の手入れの行き届かない、粗野な田舎娘のようなスクランブルエッグだけど愛しい。 ケチャップという化粧してやるだけで、素朴な朝ごはんの大ヒロインになる。

旅の朝はスクランブルエッグから。